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敷金返還請求 Archive

抵当建物使用者の明渡猶予

地域によって割合は違うようですが、商売のための店舗や自宅を賃借する方は多いようです。

抵当建物の明渡猶予は、平成15年の民法改正により、短期賃貸借保護制度が廃止され、

新しく設けられた制度です。

この制度は、抵当権設定後の建物賃借人であっても、その抵当権が実行される前から使用

収益している者は、競売の買受人の買受けの時から6カ月を経過するまでは、その建物を

買受人に引き渡さなくてもよいという制度です。

これは、言い方を変えれば、6カ月経てば、賃借人はその建物を明け渡さなければならず、

そのうえ、短期賃貸借保護制度のように買受人が賃貸人の地位を承継するわけではない

ので、賃借人が当該建物を引き続き使用したい場合には、買受人との間で新たに契約を

締結する必要があります。

つまり、買受人が賃貸人の地位を承継しないので、賃借人が賃貸人に預けた敷金や保証金

の返還を買受人に請求できず、新たに契約を締結する場合には別途敷金等を預けなければ

なりません。

なお、敷金等は、前賃貸人から返還されることになりますが、競売になるくらいですから、前

賃貸人には敷金等を返還するだけの資力がないのが通常と思われます。

万が一、借りている建物が競売になったら、すぐに相談してください。

任意売却による賃貸人の変更

賃借中の建物が、任意売却され、それにより賃貸人が変更した場合、賃借人が預けていた敷金

はどうなるのでしょうか。

賃借建物について引渡しを受けた賃借人は、建物が譲渡されても、新所有者に対して賃借権を

主張して引き続き建物の使用が可能です。

敷金に関しても建物の譲渡に伴い新所有者が承継することになります。

旧所有者から新所有者が承継する敷金の額は、新旧賃貸人の間で精算された残額となります。

例えば、建物の所有権移転の際に旧賃貸人に対する未払い賃料があれば、当然敷金で充当

され、残額についてのみ新賃貸人に承継されます。この場合、賃借人には新賃貸人に対して

敷金の追加支払い義務が発生します。この支払いを怠ると債務不履行になるため、新賃貸人

から契約解除されることもありますので注意が必要です。

 

 

賃借人の原状回復義務

敷金は、賃借人の賃料の滞納や不注意による賃借物に対する損傷等の賃貸借契約上の

債務を担保するために、賃借人から賃貸人に預け入れるものです。

敷金によって担保される債務には、賃貸借契約終了後の建物明渡しに伴う原状回復義務

も含まれます。

この原状回復義務に関して、例えば「敷金から畳の表替えやクロスの張替え費用を差し引

かれて返却された。差し引かれた分を返してほしい。」という敷金返還に関する相談が増え

ています。

民法では、通常使用に伴う汚損や損耗の場合、それらは賃料によって当然に賄われるべき

ものと考えますから、通常使用による汚損や損耗があったに過ぎない場合には、賃借人が

それらを新品同様の状態にして賃貸人に返還する義務はありません。そのため、このような

場合に差し引かれた敷金は、返還請求できることになります。

それでは、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使

用による汚損や損耗の場合はどうでしょう。

このような場合は、これらの修繕費用は賃料によって賄われるべきものとはいえませんから、

賃借人がその汚損や損耗について原状回復義務を負うことになります。

但し、原状回復義務がある場合であっても、どの範囲まで原状回復しなければならないかは

別に検討する必要があります。

例えば、賃借人が家具を移動する際に誤ってクロスを破ってしまったような場合は賃借人に

原状回復義務がありますが、わずか数センチの破れに過ぎないのに部屋全体の張り替え

費用を負担しなければならないとしたら公平とは思えません。

このような場合については、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が参考

になります。このガイドラインによれば、「クロスについては、1㎡単位での補修が望ましいが、

賃借人が毀損させた箇所を含む1面分までは張り替え費用を賃借人の負担としてもやむを

得ない」とされています。また、クロスについては、消耗品ではないので補修算定にあたって

、経過年数を考慮すべきものとされおり、賃借人の負担範囲を大きくしても、金銭的負担は

不当なものとはならないよう配慮されています。

このように敷金から差し引かれた金額が妥当か否はガイドラインを参考に判断することになり

ますが、個々の事案によって修正が必要となるため、当事者間で話し合いがつかない場合

は、まず法律相談の利用をお勧めします。

敷金返還トラブル

建物の賃貸借契約終了により借主が目的物件を明渡しても、貸主は高額な原状回復費用

を要したとして敷金を返還しないという相談を受けます。

敷金は、賃貸借契約から生ずる借主の債務を担保するために貸主に交付されるものですか

ら、家賃の滞納や故意又は過失による対象物件の毀損や汚損などがなく、通常の使用によ

る損耗があるだけの場合のように借主の債務不履行が無ければ全額返還されるべき金銭

です。

通常の使用による損耗は、物件の価値が減少するとしてもそれは賃料収入によって補てん

されると考えます。

原状回復の範囲は、借主の荷物をすべて搬出して残置物がないようにすることですので、

古くなったものを新しいものに取り換えたりする必要はありません。

また、室内の清掃についても一般の人ができる範囲の清掃をすればよく、専門の清掃業者

を頼む必要はありません。

まず、内容証明郵便を利用して貸主に敷金の返還を求め、返還の意思がみられない場合は

訴訟手続きの利用を検討すべきです。

 

 

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